こんにちは!水族館で飼育員をしている管理人のめだかです!
今日も水族館について学んでいきましょう!
【シリーズ連載】
ブログに多く寄せられる質問に飼育員である管理人が答えます
今回はブログをみて飼育員を目指す学生の皆さんなどから寄せられた質問の中で、
- 多くいただいた質問
- これは大切だなと思った質問
管理人のめだかなりの回答を紹介していきます!
結構飼育員を目指す上で大切なことが詰まった質問・回答になっているので、飼育員を目指す方はぜひ参考にしてみてください!
たくさん寄せられた質問たちを今回は、以下の6つにまとめてみました。
- 大学選び
- 資格について
- 飼育員の適正について
- 就活について
- 仕事について
- 将来について+番外編(おまけ)
今回はシリーズ第3回ということで、飼育員の適正についてのよくある質問を紹介・解説してきます。
第1回:大学選び編
第2回:資格編
飼育員を目指す上で抱える皆さんの悩みを少しでも解決できれば幸いです!
はじめに
飼育員を目指す上で、自分は飼育員に向いているのか不安になるのは誰しも通る道です。
今回はそんな方たちから多く寄せられた質問をご紹介します。
前提として、管理人のめだかが質問をしてくれたみなさんに「君は向いてる!」「君は向いてないな~」なんていうおこがましいジャッジをしようというわけではありません。
みなさんにご高説を垂れるほど優秀ではないし、熟年の経験があるわけではないので。
こういう不安があります…
この場合どうすればいいでしょうか…?
そんな悩みを今のめだかならどう思い、どう行動するのか?考え方の参考にするように読んでいただけるとありがたいです!
色々な意見を聞いて「飼育員の向き不向きを最終的に判断するのは自分自身」だということだけでも覚えて帰ってもらえれば何も言うことはありません。
大勢の前で話すことが苦手でも飼育員になれますか?
まず個人的に共感した質問を紹介します。
話す技術の習得と場数を踏めば問題ないです
- やってみて苦しいならやめるくらいでいい
- 働く水族館にもよる
めだかも大学時は人前で話す、見られながら実験をしようとするだけで手がアル中の禁断症状のように震えた過去があります(マジです)。
そんな過去がありますが、今では全く苦に感じません。
ぶっちゃけなれです
人前でやっていれば何も感じなくなります!
とりあえず飼育員を目指しつつ、人前で発言する習慣(授業で質問する)などからはじめて慣れていきましょう。
因みに全く人前を気にしなくなったきっかけは、他人はそれほど自分に興味がないと気づいたからです
興味がないなら失敗しても問題ないな、こんな気持ちが生まれてから余裕が生まれて来館者の様子を観察しながら司会や解説をすることができました
今後、人前で話す上で書籍や経験から学んだ技術の部分も紹介していきますのでお楽しみに!
現代の水族館業界全体が求めている人材はどんな人ですか?
就活シーズンによく聞かれる質問です。
求める人材は水族館によります
自分に合う水族館に狙いを絞るスタンスをもつことが大事
水族館側が採用しやすいのは、
- 館の価値観を理解している人
- 将来の期待値が高い人
- 一緒に働いてみたい人
同じ質問してくれた方にも伝えていることがあるのですが、
新卒採用者で全ての水族館から求められる人材は99%いません。
理由として、以下のことが挙げられます。
1.水族館によって価値観がちがう
2.新卒採用は将来性に期待した採用
3.信頼は仕事の中で培われる
4.時代が変わり求められるスキルが多様化
1.水族館によって価値観が違う
質問してくれた人の多くは「自分が飼育員になってから何をしたいのか?」という自分の目的が薄い印象がありました。
- なぜ飼育員になりたいのか?
- 飼育員としてどのようなことをしたいのか?
質問してくれたみなさんには自分の価値観をしっかり考えてみてくださいとお伝えしました。
水族館にもそれぞれ価値観があって、運営する理由があります。
地域特有の生態系を知ってもらうため、特定の生物について専門的な展示を行う、都会の中に非日常感を演出するなどなど…。
そんな多種多様な価値観がある中で、全ての水族館から求められる人材になる難しさは想像に難くないですよね。
2.新卒採用は将来性に期待した採用
さらに言えば、新卒採用は即戦力として数えられません。
最初の内は研修期間として、先輩飼育員に教えてもらいながらと仕事に慣れることから始まるでしょう。
慣れるまでは全体の仕事の効率を落としてしまうということです。
まぁ小型水族館は少数運営のため研修期間がとれず、すぐに現場に駆り出されますが笑
習うより慣れよという働き方は大型水族館の飼育員との働き方の大きな違いかもしれませんね
ではなぜ採用するのかというと、みなさんが現場で成長していく将来性に期待して採用するからです。
そう理解すると水族館側の新卒採用は「即戦力な人材が欲しい!」という求めるスタンスというよりは、「この子は将来水族館に貢献してくれそうだ」という期待値で採用するスタンスということです。
逆に欠員が出たときに即戦力を求める場合は「中途採用」として募集します。
つまり新卒で採用されなくても、他の業界で実績を積んでスキルを身に着ければ中途で採用される道もあるということです。
こちらでも解説しているので参考にしてみてください。
3.信頼は仕事の中で培われる
「求められる人材」とありましたが、めだか個人が思う求められる人材というのは、
周りの人からの「信頼」を積み上げられる人です。
例えば、みなさんが水族館に就職し、どんなに優秀と思える提案をしてもほとんどは聞き入れられないでしょう。
周りで働くスタッフとの「信頼」が積みあがっていないからです。
大きな成果をあげるためには、周りの人の協力が不可欠です。
みなさんが飼育員としてやりたいことがあるのなら、仕事で成果を出すことに焦らず、まずは周りの人からの信頼を積み上げる習慣をつけてみましょう。
積み上げた「信頼」をみなさんが仕事に用いることを「信用(される)」と言います。
ただし、信頼というのはつみ木と一緒で積み上げるのは大変ですが崩れるのは簡単です
いくら優秀でも酒癖が悪い、異性問題で信頼をなくすなどさまざま…笑
悲しいことに実在するんですよね、、、ねぇ
4.時代が変わり求められるスキルが多様化
現代は情報の量と発信される頻度が多くなり、時代の流れが早い情報社会です。
キャッシュレス化や電子解説版、映像技術、情報発信などほんの十数年前とは全く違うITという変化が関連薄そうな水族館業界も直面しています。
こういった背景から、個人的には「思考が柔軟な人」だとが求められるのかな?と思っています。
むかし、友人連れられて向かった某有名アイドルのライブでこんなこと言っていたファンを思い出しました。
今やアイドルは歌って踊れるのは標準装備
動画配信サービスが普及して今は標準装備×独自性がないと見てもらえすらしない
でも個性付けのためだけに取ってつけたような薄っぺらい趣味・特技だとばれちゃうんだよね
それに比べて○○たそはj(以下略)
(なるほど~)たそってマジでいうんだ…
これは別にアイドル業界のイロハを学んだのではなく、水族館にも同じことが言えると感じたからです。
情報社会となって自分から見つけてもらえないと知ってすらもらえない現代。
水族館飼育員だから
- パソコンなんて詳しくない
- 情報発信なんて面倒くさい
- 地域のことなんて興味ない
- 新しいことはしたくない
こんなことを考えていたら水族館に来てもらえすらしないということです。
飼育員という仕事に囚われず、「今後水族館を良くするために何が必要なのか?」と心から思ってそのために慣習に囚われず行動を起こせる人が今後求められる人材なのではないかと思います。
因みにライブはめっちゃ楽しかったです
ドームの中で気球?飛んでました笑
さて、ここまで「新卒採用者で全ての水族館から求められる人材は99%いない」という一見妄言に見える管理人の意見を4つの理由で解説しました。
じゃあ俺たちはどうすればいいんだいっ!
そんなみなさんに向けて水族館側がどんな人を採用したいと思うのかをお伝えします。
水族館が採用したいと思う人とは
シンプルですが、みなさんが館長や人事に「一緒に働いてみたいな」と思わせることができればOKです。
【水族館が採用したい!と思う人】
1)館のことを理解している人
- 館の理念や取り組みについてよく調べている
- 自分が志望する館でどう貢献できるか説明できる
2)将来の期待値が高い人
- 他業種・他分野でのスキル・ノウハウがある
- 館の求める能力が高い、すでに結果を出している人
3)一緒に働いてみたい人
- あいさつ・感謝・謝罪ができる人
- 精神年齢が高い人
難しそうな条件も並んでいますが、全部満たす人はほぼいないので安心してください
みなさんがすぐに実践できるのは線が引いてあるところ!
面接でも活きることなのでぜひ習慣化してみてください!
面接についてはこちらでも解説しているので参考にしてください!
また、めだかが飼育員に向いている人について、さかなクンを例にこちらでも解説しているのでお暇な方はぜひご一読ください!
コネが全くなくても水族館飼育員になれますか?
なれます
- 無いことが普通
- 現場スタッフのコネは就職に直結しない
- 人とのつながりは大切
それ君が言うと説得力なくない?
確かに…
まぁ、周りを見た体験談も出すので参考程度に聞いてください
無いことが普通
まず水族館業界にて、コネなんてないのが普通です。
おまん、どこのせがれじゃ!?
新参者に水族館の敷居はまたがせんぞ!
ヒエッ
なんて田舎の良く知らない近隣住人に自分の家系を説明するようなケースはほとんどありません(田舎里帰りあるある)。
親が飼育員やっていても子供も飼育員を目指すケースは意外に少ないと思います(管理人独自調べ)。
親の仕事の大変さが子供ながらに分かってしまうからです。
夜遅くて鍵っ子になることは多かったですし、GWやお盆の連休は旅行なんて行けない子供時代を過ごしたら「子供を同じ気持ちにさせたくない」と思ってしまうのも当然だと思います
(管理人はそこまで深く考えておりませんでした、、笑)
という背景もあるので、水族館関係者のコネがなければ就職できないなんてことはまずないのでご安心ください。
ただ、ここだけの裏話しておくと採用者を「地元出身かそれ以外か」で採集判断される場合もなくはないです(レアケースですが)
単純なひいきではなく、地元出身の人の方が風土に合いやすく長く働いてくれる可能性が高いなど経営的な理由もあったりします
現場スタッフのコネは就職に直結しない
大学時代、水族館飼育員とのコネをひらけかすマウント人間が一定数いました。
就職がこれで有利になるなどいらん情報を添えて。
似た質問に「周りがすごすぎて自分が飼育員になれるか不安です」など周りと比べて不安になってしまった質問がありました。
みなさんも今後嫌な思いをするかもしれません。
気にしなくていいです。
なぜなら皆さんの就職の合否を決めるのは現場スタッフではなく、普段現場にいない上の立場(管理職)の人間だからです。
インターンなどの短期間に現場のスタッフから名刺もらった・気に入ってもらった=就職間違いなし!なんてことにはならないのです。
もし嫌な思いを受けたときは一度甘い物や好きな音楽でも聴きながら、これから自分ができることに集中してみてください。
気持ちは痛いほど分かるのでみなさんが少しでも自分事に集中できるよう、自分の経験をこうしてブログに残しているわけです
マウント合戦に巻き込まれたら一度この記事を読んでみてください。
マウンターってしょうもないな
そう思えるはずです。
人とのつながりは大切
とはいえ、人とのつながりは大切です。
つながりを大事にしておけば、みなさんが飼育員になったとき大きな力になってくれます。
めだか自身、水族館で働くまでに関わっていただいた方々に今の仕事でもお世話になっています
人のつながりがみなさんの仕事の幅をひろげてくれることは間違いありません!
なにも難しいことをしろということではありません。
あいさつ、感謝、笑顔、相手を思いやる。
常日頃から関わる一人一人に誠意をもって過ごしてみてください!
目には見えない「信頼」が積みあがっているはずです。
飼育員にはなりたいのですが具体的なやりたいことが分かりません
めだかがブログ内にて何度も
「飼育員になることを目的にするのではなく、飼育員になった後の目的(何をしたいのか)を決めましょう」
と言っていることに対して、今は見つけられていないという質問でした。
なってから探しても全然OK
- 質問をする時点で大丈夫だと思う
- 飼育員になって変わることもある
ブログでは偉そうなこと言っていますが、めだか自身もギリギリまで悩んでいたクチです。
最悪そんなものを持たなくても就職してしまえる方もザラにいます。
ただ、個人的にはその状況で働いているといづれ仕事自体が楽しくなくなると思うのでブログでは何度も伝えています。
自身が考えて成果を出すのが好き=相対的に仕事が好きという構図になっているのでそもそも偏見が混じっているのは承知の上ですが笑
でも、人生で多くの時間で関わる仕事、それも一般的な会社ではなくわざわざ飼育員になったのなら仕事、楽しくやりたくないですか?
人の歩幅が違うように、「こういうことをしたい!」そう思えるタイミングは人それぞれです。
なる前からビジョンがある人もいれば、なった後にこうなりたいと気づくこともあります。
飼育員になってからでも考える時間はあると思うので、自分の仕事や人生を楽しくするために頭の片隅に置いてもらえればと思います。
質問者さんは質問をできる時点でいづれ見つけると思うので大丈夫だと思っています
コツとしては、尊敬できる人を見つけることだと思います。
世界一の投資家で有名なウォーレン・バフェット氏も「尊敬できる人の元で働きなさい」というほどです。
尊敬できる人のもとで働き方・考え方を学べば、「自分もこうなりたい!」から「自分ならこうなりたい!」という自分だけの目的になっていくと思います。
ちなみにこのウォーレン・バフェットさん
投資の神様とよばれており、個人の純資産は840億ドル(2018年時点)というバケモノおじい様です
田んぼの小さな淡水魚が話しているのではなく、世界トップクラスのお金持ちの金言と聞けば説得力がありますね笑
最後に
一文の質問に対してつい熱くなって長文で解説してきましたが、覚えて帰ってほしいのはこの一言だけです。
飼育員に向きか不向きかを最終的に判断するのは自分自身
数年前、めだかが別の職場で泊まり込みでバイトしてたころ、実習に来ていた専門学校の子が「飼育員目指して入学したんですけど、一度現場を見学して仕事の辛さを見てあきらめました…笑」と話してくれたことがあります。
その子は生物についてもとても詳しくて、見学行く前までは家でも勉強したりするほど熱意のあり、あいさつや感謝などもしっかり伝える礼儀正しい子でした。
ひとつの水族館を見学しただけで飼育員をあきらめてしまうのはもったいないと感じました。
- たまたまその水族館の感じがその子に合わなかっただけかもしれない
- 実際に仕事を体験すれば違うものが見えてくるかもしれない
- 他の仕事に就職できても後悔を引きずるかもしれない
その子も期間中泊まり込みで働いていたので、食事の時などにいろいろ話を聞く中で自分なりの考えなどを話しながら水族館について語り合っていました笑
その子も話す中で「もう一度考え直してみます!」と実習中も自分の進路について考えていました。
結局、実習最終日に「やっぱり水族館の道はあきらめて養殖関係の進路を探します!」と言っていましたが笑
でもそれでいいんです。
他人と比べてあきらめたのではなく、自分でしっかり考え、自分で別の道に進むと決めることができたのですから。
心なしかスッキリした顔をしていたので自分自身うれしくなりました。
お礼になぜか大量の某エナジードリンクが大量に冷蔵庫に詰め込まれていたのは良い思い出です笑
ついつい昔の話をしてしまいましたが、飼育員に向きか不向きかを最終的に判断するのは自分自身だと頭の片隅に置いて、周りがどうこうではなく自分が本当になりたいのか?考えてもらえればと思います!
次回は第4回として1番多い質問「就職について」解説しますので、ぜひぜひご覧ください。
今回は以上です!
本日はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
またのご来館をお待ちしております!