こんにちは!管理人のめだかです!
本日も水族館と飼育員について学んでいきましょう!
水族館の役割
今日は水族館の本質、水族館の役割について解説します!
役割を理解して水族館飼育員の仕事の本質を捉える
水族館飼育員を目指す人には必須知識!
インターンでも聞かれることが多いのでこれを機に水族館の本質をしっかり理解しよう!
なお、この記事は当ブログの一番初めに書いた記事のリライトバージョンです。
前の記事より、見やすく、分かりやすくなっているので是非読んでみてください!
水族館の役割
水族館には、一般の人が思っている観光施設という役割の他に大事な役割があります。
それが今日紹介する水族館の役割です。
水族館の役割は大きく分けて以下の4つになります。
- 収集・保存(種の保存)
- 調査・研究
- 教育普及
- レクリエーション
水族館飼育員として働く場合は必須の知識だと思っていますのでぜひ覚えて帰ってね!
それぞれみていきましょう!
収集・保存
簡単に言えば、水族館に生き物を集める、飼育すること!
THE・飼育員のお仕事!って感じだね!
水族館がどのように生き物を収集しているかはこちらを参考にしてください↓
水族館に行く理由の一つとして、珍しい生き物を見ることができることが挙げられると思います。
珍しい=生き物の数が少ないということです。
環境の変化、生態系の変化、種の乱獲など様々な理由で減少する生き物を守り、次の世代に伝えていくことが水族館の役割の1つです。
水族館で繁殖させて生き物の数をどんどん増やす!というより、飼育・繁殖の知識を体系的にまとめて他の人が活用できる点が重要だとめだかは思ってるよ!
あと単純にそういう生き物がいることを知ってもらうこと
知らなければ保護しようとも思わないからね
飼育方法や繁殖方法の知識を得るために必要になるのが次の役割、調査・研究です。
調査・研究
生物の知識を発見・蓄積をすること!
その理由の一つに野生の生き物を必要以上に捕まえないようにする背景があります。
野生の生き物が住める場所が減少している事実に気づいたからです。
【生息地の環境の変化】
- 水温の上昇
- 埋め立て
- 乱獲
- 外来種の繁殖
残酷な事実として環境変化の原因のほとんどは人間によるものです。
生物たちの生態をよく知り、共存の道を測るための知識を入手し蓄えることが水族館の役割の1つです。
必要以上に捕まえないようにする例としては、ペンギンなどが挙げられるよ!
日本の水族館にいるペンギンはほとんどが水族館で繁殖されているんだ!
オオサマペンギン
そうなんだ~
ただ、一つの水族館内だけで繁殖を続けると血統が濃くなるのが問題…
その時に利用される方法がブリーディングローンという方法なんだ!
ブリーディングローン
動物の所有権を残したまま、繁殖を目的に水族館や動物園同士で生き物の貸出や借入を無償で行うこと
他にも調査・研究の例として次のようなものが挙げられます。
- 地域の河川や海の生態系の調査
- 絶滅が危惧される魚類などの飼育・繁殖
- 新種生物の発見
など
話が少し脱線しましたが、生態系を壊さないように水族館で飼育方法・繁殖方法を確立させること、そのために生物の生態を知るために調査・研究が必要になります!
では残り2つの役割はなぜ必要なのか?後半戦に参りましょう!
教育普及
水族館で得た知識を一般の人に伝えていくこと!
【水族館の教育普及の例】
生物について
- 生息数が減少している生物
- 地域に生息する生物
- 水族館のテーマに沿った生物
- 企画展示の生物
など
環境について
- 光合成生態系
- 化学合成生態系
- 海洋プラスチック問題
- 地球温暖化問題
など
「水族館は観光施設!」という方を見かけますが、厳密には正確ではありません。
水族館は水圏生物について専門的な教育普及を行う「生涯学習施設」という側面も持っています。
ある意味、学校の社会人版のようなものです。
因みにめだかが思う学校と水族館の教育の違いは下の表のイメージです!
学校の教育と水族館の教育の違い
【学校の教育】 (学校教育)
対象者 | 6歳~20代の学校に通う人※1 |
教育の受け方 | 受動的・強制的 |
学べる分野 | 広く・浅く |
評価 | 他者との比較(相対評価) |
※1:例外もあり
【水族館の教育】(生涯教育)
対象者 | 水族館に訪れるすべての人 |
教育の受け方 | 能動的・自由的 |
学べる分野 | 狭く・深く(生物分野) |
評価 | 自分の納得(絶対評価) |
水族館で得た知識を飼育員の中だけで留めていたら、夜な夜な怪しい研究を行うマッドサイエンティストと変わりませんよね。
水圏生物の専門的な知識を一般の人にも分かりやすく咀嚼した情報を簡潔に伝えることが水族館の役割の1つです。
事実として、一般の家族連れのお客さんはもちろん、水族館が好きという人でも長々とした専門用語マシマシの学術的な解説文を読む人はほとんどいません。
一般の人は水族館で勉強するぞ!という気持ちで水族館にやってきていないですからね
でも相手が学ぶ気がないなら学習施設とはちがくない~?
鋭いね
だからこそ、最後の役割が必要になってくるんだ!
レクリエーション
来館者を楽しませる!
最後の役割はいたってシンプルです。
来てくれたお客さんを全力で楽しませることが水族館の役割の1つです。
水族館での楽しみ方、楽しませ方はお客さんによって様々です。
- ショーを楽しむ
- 珍しい生き物を見に行く
- かわいい生き物を見に行く
- デートで楽しむ
- 写真を撮影して楽しむ
- 生き物と触れ合って楽しむ
- 飼育員とコミュニケーションをとって楽しむ
など
楽しいことは記憶に残りやすいものです。
飼育員は常に相手を楽しませる工夫を加えながら学びとなる展示を作ることが大切です。
来館者からお金(収益)を得ている水族館では、すべての活動はレクリエーションに帰結する
楽しんでいたら気づかないうちに学びを得ていた
これがめだかが思う理想の展示です
学校だと教え方が悪い先生は黙々と教科書の文字を暗記させるように退屈な授業をしますよね。
全く頭に入らないし、学ぼうとする意欲も失せてきます。
逆に教え方が良い先生は自分の経験やユーモアを交えながら学生の記憶に残るような工夫をして楽しい授業を行います。
頭に入ってくるし、記憶が紐づいて忘れにくくなります。
せっかくお金を払って水族館に来てくれたお客さんなら、楽しませるのはもちろん、何か一つでも学びになるものをもって帰ってほしい、そんなことを思っています。
私は水族館でこんな楽しみ方してるよ!という方はぜひめだかに教えてくださいね!
まとめ
今日は水族館の役割4つを紹介しました。
収集・保存(種の保存) | 生物の種を次世代に残す |
調査・研究 | 生物の知識を蓄える |
教育普及 | 専門知識を簡潔に伝える |
レクリエーション | お客さんを楽しませる |
4つの役割は密接に混ざりあっている
4つの役割と言いましたが、それぞれが独立しているわけではありません。
実際の水族館業務では複数の役割が混ざり合っています。
例えばイルカにショーをさせるまでには、イルカを水族館に連れてくる収集に始まり、長期飼育のためにイルカの生態を理解する調査・研究、楽しんでもらうためのショーの構成を考えるレクリエーションが挙げられます。
ただ、実態としてはレクリエーションに偏った水族館もあれば、資本が少なく本格的な調査・研究ができていない小型水族館など館によって役割のバランスは様々!
そこは実際にアルバイトやインターンで働いてみて、自分の飼育員像に合うか考えてみましょう!
水族館で働きたいのにこんなの知らなかった、、、
大丈夫!
今でこそ偉そうに解説してるけど、めだかが水族館について本格的に学んだのは大学3年生から!
知るのに遅すぎるということはないので、ここでしっかり理解してもらえば大丈夫!
千里の道も一歩から!
本日はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
またのご来館をお待ちしております!