こんにちは!水族館飼育員でブログの管理人めだかです!
今日も水族館について解説していきます!
今日のテーマはこちら!
【2024年版】日本の水族館の入館料ランキング(高い理由も解説)
水族館王国とも言われる日本、全国には数多くの水族館が開館しています。
そんな全国の水族館の入館料を調査して、一覧で並べてみよう!というのが今回の趣旨です。
ランキングを見ながら、入館料の高い水族館、低い水族館の理由も解説したいと思います!
それでは行ってみましょう!
入館料ランキング作成にあたり
まず、ランキングを作る上で問題となるのが「どこまでが水族館なのか」問題です。
水族館と呼ばれていても正式には水産科学館だったり、テーマパーク一体型など水族館のあり方は多岐に渡ります。
当ブログではめだかの独断と偏見で水族館を設定しています!
100館以上の施設を一つ一つ見て回ったのでなかなか大変でした。
さすが水族館大国日本といったところでしょうか。
また水族館を調べるにあたり、
書籍「中村元の全国水族館ガイド 125」(著:中村元 2019年6月6日出版)
を参考にしつつ、2019年以降開館した水族館や入館料が変更したなどの追加点をめだかがアップデートしたものを解説します!
前提として入館料が高ければ良い、悪いということではありません!
修正点などは皆さんに教えていただきながら修正していきますのでよろしくお願いします!
みなさんの推し水族館がどこにあるかも楽しみながらご覧ください!
水族館入館・入場料ランキング!(更新:2024年4月30日)
全国で一番入館料が高い水族館はアドベンチャーワールドでした!
ただ、アドベンチャーワールドは水族館の他に遊園地や動物園などが併設する複合型水族館なので、純粋な水族館施設のみと考えると八景島シーパラダイス(水族館部分)と鴨川シーワールドとなります!
最近は特に私立水族館の入館料の値上げが多く、ランキングに変動があるので都度アップデートして掲載します!
因みに上のランキング表の水族館は入館料として152,180円あれば制覇可能です(別途交通費・滞在費など必要)
入館料の平均は1,237円、中央値は1,000円となりました!
料金はなぜ高い?安い?
上は5000円代から下は0円など入館料の幅が広いことがお分かりいただけたかと思います。
ここまで見てくるとこんな疑問をもつことでしょう。
なぜこんなに高い・安いんだろう?
料金の違いには大きく分けて3つの要素があります。
- 規模
- 立地
- 運営の違い
規模の大きさ
規模の大きさは改めて説明するまででもありませんね。
1位のアドベンチャーワールドや八景島シーパラダイスのように水族館以外の施設との複合型で施設全体が大規模になると維持するためのコストが必要になることで入館料は高くなります。
これに加えて、海生哺乳類(イルカ・アシカなど)や鳥類(ペンギン・ペリカンなど)といった、水族館の人気の生物はエサ代、設備費、人件費(獣医師)などで維持費が高くなります。
事実、入館料ランキングの上位TOP10に入る水族館はイルカ、アシカ、ペンギンの仲間を複数頭飼育しています。
立地
地方と都市で家の家賃が違うように、立地によっても左右されます。
最近は都市部に近い、都市型水族館などと呼ばれる立地の水族館が多数設置されています。
需要のある土地は高くなるため、初期投資(水族館を開館するための資金)と運営資金を回収するために入館料は高くなりがちです。
ただ、上記の条件に必ずしも当てはまらない水族館もあります。
それが水族館の運営団体の違いです!
ではどんな運営団体があるのか?見ていきましょう。
水族館の運営形態
実際にどのような運営団体が水族館を運営しているのかですが、複雑にするときりがないのでざっくり3つに分けて紹介します。
1.私立水族館
2.公立水族館
3.指定管理水族館
私立水族館
私立水族館は主に民間企業(営利法人)によって設置・運営される水族館です。
入館料は高額に設定されていることが多く、事実としてランキング上位の水族館は私立水族館であることが分かります。
たくさんの人に来てもらうために多額の投資をしているから
私立水族館は、運営する会社が利益を出せないと閉館してしまうので、他の運営形態の水族館より展示生物、設備、サービスなどに投資し、積極的に集客しています。
これらの投資が入館料にも反映しているのが高い入館料の理由です。
入館料が高い分、展示の質(特にレクリエーション)や利便さなど来館した人の満足度が担保されている水族館だと管理人は思っています。
事実、水族館の人気ランキングでは多くの私立水族館がランクインしてますしね
こちらでも詳しく解説しています↓
公立水族館
公立水族館は、国や教育委員会、自治体など公的機関が設置・運営する水族館です。
入館料は低価格で設定されていることが多く、ランキング後半や入館料無料に当てはまる施設は公立で設置された水族館です。
運営コストや人件費などを公的資金で賄っているから
公立水族館は国や自治体などの公的機関が設置したもののため、一会社より大きい組織から運営資金が捻出できます。
公的資金は言い換えれば税金です。
ですので(言い方は悪いですが)私立水族館ほど積極的な集客はしません。
公立水族館は商業施設というよりも社会教育・生涯教育施設としての役割を重点に置いているからです。
水族館ももとをたどれば博物館の仲間です。
そして博物館には「すべての人に開かれた場所」というテーマが存在します。
すべての人に開かれている場所なのに、所得(金額)によって入館の有無が決まると矛盾しますよね?
何かを学びたいと思う人たちに学校以外で学習の場を提供するという、人生を豊かにするための手助けをする水族館だと管理人は思っています。
こちらでも詳しく解説しています↓
指定管理水族館
指定管理水族館は、国や自治体などが設置した水族館を民間企業などが指定管理者として運営する水族館です。
入館料は公立水族館と同じくらいか少し高いくらいの傾向があります。
指定管理水族館を簡単に説明すると、私立水族館と公立水族館のハイブリット的な水族館です。
水族館の指定管理者になると、設置者である国や自治体から指定管理費という年間予算が支給され(指定管理期間の予算をを年割した額)、これを運営資金として運営します。
こうすることで民間企業が運営資金をねん出することに力を注がない分、よりよい水族館を目指して運営に集中することができるようになります。
ただし、裏を返せば何もしなくてもお金は入ってくるので、向上心を忘れ日々の業務を流れ作業にならないように注意が必要です。
こちらでも詳しく解説します↓
実は入館料は値上がりしている
実は以前書いた私立水族館入館料ランキングと今回の入館料を見比べてみると、値段が変化していることが分かります
前回のランキングTOP5 | 2020年一般入館料 | 2022年一般入館料 |
アドベンチャーワールド(私立) | ¥4,100 | ¥4,800(+¥700) |
八景島シーパラダイス&鴨川シーワールド(私立) | ¥3,000 | ¥3,300(+¥300) |
鳥羽水族館(私立) | ¥2,500 | ¥2,800(+¥300) |
城崎マリンワールド(私立) | ¥2,470 | ¥2,600(+¥130) |
登別マリンパーク二クス(私立) | ¥2,450 | ¥2,600(+¥150) |
値上げの背景にはやはり昨今の規制による入館者の激減が大きいです
私立水族館は来館者が多い反面、施設の規模や海生哺乳類を多数飼育しているため維持コストも高く、来館者が激減するとコストを賄えなくなる特徴があります。
閉館しているからといって生物のエサや掃除などの飼育は毎日行わなければなりません
適切な水温に一定に保つための電気や必死に働く飼育員が生活するための給料も必要です
こんなブログを見に来るほど水族館好きのみなさんが値上げにひるまず、水族館に訪れてくれる
そんな些細なことが水族館業界を助ける応援になると思ってもらえると水族館で働くものとしてこの上ない幸せです
長くなりましたが今回は以上になります。
夏休みの企画展準備などで時間が取れず、おまたせしてすみませんでした。
時間が取れれば、どのように企画展準備を進めていくのかをまとめて解説できればと思います!
本日はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
またのご来館をお待ちしております!